2026年7月5日付で『朝日新聞』が「フランスの原発政策「失敗」増え続けるプルトニウム、識者指摘」と報じている。国際エネルギー政策アナリスト、マイケル・シュナイダー(Mycle Schneider)氏の見解を伝える形だ。
記事内容は、プルトニウムは「高速増殖炉」で利用する計画だったが、高速増殖炉の開発が頓挫したため、再利用の見通しが立っていないことに基づいている。
とはいえ、フランスでプルトニウムの蓄積量が増えていることは本当に失敗なのだろうか。失敗ではなく、フランスが高速増殖炉ではない第三の道を模索し、すでにその道に踏み出していたとしたらどうだろうか。そこを考えてみよう。
ウラン燃料サイクルの外部不経済は?
今の原子力はウランを燃料として使用する。そのウラン燃料サイクルにも外部不経済はある。その主たるものは使用済み核燃料に含まれるプルトニウムだ。
プルトニウムを利用価値のないゴミと見なす場合、その危険性(放射能を持つこと、核兵器への転用のおそれのあること)から、コストをかけて社会から隔離をしなければならない。現時点で使用済み核燃料を再処理せず最終処分する施設を有しているのはフィンランドだ。
プルトニウムを利用せず、ウラン燃料を一度だけ使用する方法を「ワンススルー」という。深地層処分などの最終処分にコストをかけて行うという原子力の政策は、外部不経済の内部化を行っていると言える。
化石燃料の使用に伴う二酸化炭素の排出に対して何も手立てを講じないこととは異なり、実は原子力は外部不経済を認識し、対処しようとしているシステムなのだ。
逆にプルトニウムを有価物として活用する道を見出そうとすることも、内部化の方法だ。プルトニウムをウランと共に活用しようとした高速増殖炉や、それらを軽水炉で用いようとするプルサーマルなどがそれだった。
前出のシュナイダーの主張は「プルトニウムを有価物とする内部化手法が行き詰まりを見せている」とも読み替えることもできる。
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