いよいよ10月1日、2020年から段階的に進められてきたビールと発泡酒(新ジャンル)などの酒税一本化が、ついに最終段階を迎える。減税されるビールは各社が値下げに踏み切り、発泡酒などとの価格差が縮まる。これにより「ビール回帰」の流れが強まるとみて、酒類各社はこれを機に「ビール再強化」に向けた投資を加速させている。
「われわれにとって、一丁目一番地は『スーパードライ』であることは間違いない。しっかり大きな投資をかけていく」――。今年5月に開かれたブランド戦略発表会で、アサヒビールの古澤毅マーケティング本部長はそう強調した。これは酒税一本化を迎える26年下半期に向けた、アサヒビール全体の最重要戦略でもある。
縮小する国内酒類市場において、酒税一本化による「ビール回帰」の流れを捉え起爆剤にしようと狙うのは、国内ビール市場で半分近くのシェアを持つ「王者」アサヒとて例外ではない。むしろ、同社の酒類売上金額のうち54%をビールが占め、競合に比べても高い比率を持つアサヒにとっては、強い追い風となる。
こうした中でアサヒが打ち出したのが、1987年の発売以来2度目となる中味の全面リニューアルをはじめとする、スーパードライへの大規模投資だ。ただ、「一丁目一番地」と語るスーパードライ重視戦略の裏には、昨年秋にアサヒグループホールディングス(GHD)を襲ったサイバー攻撃の影響と誤算も透けて見えてくる。
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