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2026年7月22日、約15年に及ぶ断続的な交渉を経て、アメリカとサウジアラビアによる民生用原子力協力協定(米原子力法第123条に基づく、通称「123協定」)は、クリス・ライト・エネルギー長官とアブドルアジーズ・ビン・サルマン・エネルギー相の間で正式署名に至った。
サウジアラビアが自国内でウラン濃縮を行う可能性を閉ざさない枠組みや、アメリカ議会に提出された後、原子力法123条に基づく90日間の継続会期の議会審査を受けること、また翌7月23日には、トランプ大統領がサウジアラビアのイスラエルとの関係改善(アブラハム合意参加)を核協力の条件とすると表明していることから、今後の予断は許さない。
しかし、中東を代表する産油国サウジアラビアの原子力への取り組みを俯瞰することは、この地域から原油などのエネルギー資源を大量に輸入し、かつ原子力の産業基盤を有し、並行して自らのエネルギー安全保障に取り組む我が国の立ち位置を計るうえでも有意義であろう。
石油大国がなぜ原子力なのか
アメリカとサウジアラビアの交渉はオバマ政権時代の2012年頃から本格化したが、中東諸国の原子力への取り組みはその前から始まっていた。10年12月2日、アメリカ・ライトブリッジ社が中東の湾岸協力会議(GCC)と原子力導入に関するコンサルティング契約を結んだ。
GCCはバーレーン、オマーン、クウェート、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)の6カ国で構成される。域内の人口は現在6200万人だ。2010年当時は3900万人だったので、大幅に増えている。
この地域は、豊富なオイルマネーを元に急速に近代化を推し進めてきた。UAEのブルジュ・ハリファなど、世界で最も高いビルが建てられているのもこの地域だ。ただし、単なる近代化ではなく、先進国にも引けを取らない環境配慮型の開発だと言ってよい。UAEの首都アブダビのマスダール・シティはその象徴的存在だ。
超近代的なビルが林立しつつも、再生可能エネルギーを用いて二酸化炭素排出量を実質ゼロに近づけることを目指す。太陽光発電など再生可能エネルギーを積極的に取り入れ、都市そのもののエネルギー効率を高めようとした。当時マスダール・シティを率いていたスルタン・アル・ジャーベル(現・産業・先端技術大臣)氏は、こうした要件を満たすエネルギー技術を求め、世界各地を訪れていた。
そのような環境先進都市を推進する国に原子力は相いれないと映るかもしれない。わが国で進められているスマートシティやエコタウンなどの取り組みで、原子力が前面に出てくることはないが、中東はそこに原子力をも想定している。
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