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ビジネス #製薬 逆風下の勝ち筋

日本の創薬力低下を招いた真因…巻き返しを図る有望バイオベンチャーを業界ベテラン記者が解説

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創薬力復活のカギを握るのはバイオベンチャーだ(写真:PIXTA)

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1980年代、日本は世界の新薬の29%を創出していた。しかし足元では7%にまで下落している。特集【製薬 逆風下の勝ち筋】の本記事では、創薬力低下の原因を明らかにし、巻き返しを図るうえでカギを握る有望なバイオベンチャーを紹介する。

高市早苗政権が掲げる戦略17分野に、医薬品関連として「合成生物学・バイオ」と「創薬・先端医療」の2つが入った。政権として医薬品産業の強化・成長に取り組む姿勢を明確にしたのは歓迎すべきかもしれない。ただし、これまでも日本は官民挙げて創薬大国になることやバイオベンチャーの振興を目標に掲げてきた。ところがそうした政策は十分な効果を上げてこなかった。

アメリカの非営利団体で国際的な技術調査をする「情報技術・イノベーション財団(ITIF)」によると、日本企業による新規化合物の世界シェアは、1981~90年には29%だったが、2011~20年には7%まで低下している。80年代に世界の創薬リーダーの一角だった日本だが、今やその面影はない。

日本の創薬力低下の理由の1つとして、アメリカやヨーロッパ、中国などと比べ、バイオベンチャーが十分に育っていないことが、これまでも指摘されてきた。

創薬といえば、武田薬品工業や第一三共などの大手を想起するかもしれないが、実はそうではない。医薬品(新薬)の種(たね)となる新規物質を見つけ育てるうえで、設立から年数が浅く、企業規模も小さいバイオベンチャーの役割が極めて重要だ。

医薬品が世に出るまでには、以下のようなプロセスをたどる。

①新規物質を見つけ育てる(探索・基礎研究)
②新規物資の安全性、有効性を細胞や動物での試験などで確かめる(非臨床試験)
③人に投与して新薬候補の安全性、有効性を確かめる(臨床試験。治験とも呼ばれ、フェーズ1~3まである)
④当局からの承認取得・保険適用、発売

医薬品開発の世界的潮流では、上記の①と②、あるいは③のフェーズ1までは、バイオベンチャーが担うことが増えている。アメリカのバイオベンチャーは、臨床試験の早い時期に大手に高値で買収されることやライセンスアウト(技術ノウハウなどの使用許諾。導出ともいう)を行うことが多い。自社で最後の製品化までを行なう例もあるが、起業当初から明確な出口を意識している。 

厚生労働省の資料などによると、世界で承認された医薬品のうち、もともとバイオベンチャーが創製したのが7~8割(品目数ベース)を占めており、大手の製薬会社が創製の初期から関わっているのは1~2割にとどまる。 

医薬品の開発は従来よりも専門化や高度化が進んでおり、大学や研究機関と密接なバイオベンチャーが有利になりつつある。欧米や中国では、大学や研究機関で研究していた専門家がベンチャーを起業するケースも多い。メガファーマ(巨大製薬企業)は、あらゆる疾患領域をカバーするのが難しいため、特定領域や創薬の探索方法で知見や技術を持つベンチャーに初期段階での開発を任せ、そこから有望な新薬候補品を買うのが主流になりつつあるのだ。 

リスクマネーの供給がアメリカの強み

ところが日本では、そのバイオベンチャーがアメリカなどと比べると質・量ともに大きく劣る。

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