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宅配の王者、ヤマト運輸が3PL(サードパーティー・ロジスティクス、物流の一括受託)事業を強化している。後押しとなるのが、今年4月に全面施行された改正物流効率化法(物効法)だ。同法は運び手だけでなく荷主に対しても、物流を主体的に効率化するよう義務付けた。
トラックドライバー不足は深刻化しており、輸送力の確保は事業を継続する上での重要課題となりつつある。ただ、荷主が自助努力で法に適応するハードルは高い。物流の効率化には自社内だけでなく、配送の協力会社や納品先など、多岐にわたる関係者との調整が必須となるからだ。
そこでヤマト運輸は、3PLと宅配の施設を掛け合わせた大型拠点を続々と開設。調達から在庫管理や加工、ピッキング、そしてラストワンマイル(エンドユーザーへの配達)まで、顧客の物流を全方位的に請け負い、最適化する戦略を進める。
案件数が昨年比で2~3倍に
「今後のヤマトはどんな物流でもやります。だからコンペがあれば、まずは呼んでください。この1年ほど、そう話して顧客をひたすらに回ってきた。昨年と比べると、2~3倍の案件をいただけるようになっている」
ヤマト運輸の3PL事業を統括する日比野靖・執行役員はそう明かす。日本に住んでいて、「クロネコヤマトの宅急便」を知らない人はまずいない。「ヤマト運輸=B to C」のイメージが強いあまり、企業間物流では選択肢にすら挙がらないケースも多かった。
3PLの営業体制にも課題があった。ヤマト運輸の約24億8000万個に上る取り扱い荷物数(2026年3月期)のうち、約9割が法人契約とされる。セールスドライバーが配達や集荷で日常的に訪問するため、約180万社に及ぶ顧客との接点は深い。そのやり取りの中で経営課題を把握し、宅急便のさらなる受注につなげてきた。ただ、3PLに関しては需要を把握しても報告先が曖昧だった。
日立物流(現ロジスティード)やアマゾンジャパンを経て、23年に入社した日比野氏は「外から見ていても、ヤマトの3PLはもっとポテンシャルがあるはずと感じていた」と振り返る。
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