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浜松市に本社を置く世界的電子楽器メーカー、ローランド。電子ドラムやギターエフェクターの「BOSS」ブランドなどで知られ、欧米での知名度は指折りだ。だが2010年代には業績が悪化し、4期連続の最終赤字に陥った。「一番の問題は、経営陣がなかなか決断できなかったことだ。役員が一枚岩になれていなかった」と当時社長だった三木純一氏は振り返る。
構造改革が先送りされる状況を打破するため、14年、三木氏の下でMBO(経営陣による買収)を断行。いったん市場から退き、抜本改革に踏み出した。投資ファンド、タイヨウ・パシフィック・パートナーズと組んで経営を立て直し、20年に東証へ再上場を果たした。
そして今年、タイヨウは事実上の投資を終え、再建を支えたタイヨウのブライアン・ヘイウッド氏が社外取締役を退任した。一連の改革によってローランドが取り戻したものは何か。22年まで社長を務めた三木氏と、24年に社長就任した蓑輪雅弘氏に聞いた。
――2013年に社長に就任された当時、何に最も危機感を抱いていましたか。
電子楽器事業の赤字が続き、「これ以上先送りはできない。このままでは会社が潰れる」という危機感があった。
それ以上にショックだったのが、組織に蔓延していた「大企業病」だ。ある部署の会議で議論されていたのは、市場やお客さんのことではなく、「社長や上層部はどう考えるだろうか」ということだった。
上層部の顔色をうかがい、忖度しながら仕事をする、これは大企業病の典型的な末期症状。そうした組織風土が商品力の低下を招き、売り上げが落ちる大きな要因になっていたと思う。
――MBOで組む相手にタイヨウを選んだのはなぜですか。