「地頭のいい人」ばかりを集めても成果は出ない…IQでは測れない"本当に重要な知性"

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(写真:Ushico/PIXTA)
優秀な人材を集めても、チームのパフォーマンスが上がらない──そんな現場のジレンマを、脳科学と組織論の両面から打ち破るキーワードが”感情労働”だ。「NHKスペシャル」ほかで注目の脳科学者・恩蔵絢子氏は、成果を出すチームに共通する特性として「感情を読む力=社会的感受性」の重要性を挙げる。個人のIQでは測れないこの能力は、長らく“無償”として扱われてきたが、今やAI時代において人間にしか担えない重要な知性として再注目されている。恩蔵氏の最新刊『感情労働の未来』より、一部を抜粋・改稿して紹介します。

イーロン・マスクとAIアラインメント

イーロン・マスクは、テスラ社を立ち上げることによって、自動運転という形で人間とAIのアラインメントを考えている。人間が運転するより、AIが運転したほうが事故を減らせるかもしれない。自動運転が本当に可能になれば、運転しないですむことで人間はより快適になり、より創造的なことに力を使えるかもしれないというのである。また人間はどれだけ運転に介入する余地があるのかということも検討されている。AIと人間の一番いい協力関係が探られているのである。

彼はニューラリンク社も立ち上げた。これは脳と脳をつなげるという発想からついた名前で、脳にチップを埋め込んでAIの力を借りることで記憶力を高めたり、脳の障害で身体麻痺がある人の体に動きの司令を送ったりすることができるかもしれないと彼は考えた。より実現が遠いと思われるところとしては、別々の脳を持つ人間同士が、言葉を介さずに直接チップで脳のシグナルをやりとりすることによって、気持ちを理解し合えるようにする、というようなことも考えているらしい。Twitterの買収も、これほど人間の感情の動きについてデータを取れる媒体はないという理由があるという。

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