仕事の8割をAIに任せて見えた「残り2割の人間的価値」【けんすう氏が語るAI時代の生存戦略】

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AI時代に仕事と呼べるもの
AI時代の働き方と組織の未来像を紐解きます(写真:metamorworks/PIXTA)
「仕事の8割がAIに置き換わった」
連続起業家として知られる、けんすう(古川健介)氏は、AIの進化をそう語る。これまでビジネスの中核とされてきた知的なプロセスさえ、その大半をAIに任せているという。
このインタビューの主題である書籍『AI時代に仕事と呼べるもの』(三浦慶介・著)もまた、AIによって「業務」の価値がゼロに近づく未来を提示し、人間に残された本質的な価値とは何かを問うている。
AIとともに働き、自らの仕事の定義を日々アップデートし続ける実践者、けんすう氏が手放した「8割」の仕事とは何か。そして、手元に残った「2割」の、AIには代替できない人間の価値とはいったい何なのか。前編では、けんすう氏自身のリアルな実感から、AI時代の働き方と組織の未来像を紐解いていく。

人間に残った2割の仕事とは何か

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――けんすうさんは「仕事の8割がAIに置き換わった」と公言されています。まず、手放した「8割」とは具体的に何で、ご自身に残った「2割」の仕事の本質とは何でしょうか?

古川:まだ自分の中でも整理しきれてはいないのですが、今までやっていた仕事は、何かを思考して、やり方とか戦略とかを考えて言語化し、実行できる形に落とし込むこと。それに付随して企画をしたり、形にしていくことがメインだったんです。その辺はほとんどもうAIのほうが得意、という印象ですね。「企画を考える」ことですら、AIです。

――では、残った「2割」とは何でしょう?

古川:「こういうものがあったほうがいいよね」と気付くこと、つまり「始めるところ」は人間に残っています。お客さんがこういったものを欲しがってるよね、だからこういったサービス作ればいいんじゃないか、と考える。

ただ、その先のプロセスのほうが仕事としては重かった。例えば「こういうサービスがいいですよね」という企画から、実際に動くサービス(モックアップ)まで作ってしまって、それを触りながらチェックしていく。この重い部分のかなりの部分をAIができるようになっています。

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