仕事の8割をAIに任せて見えた「残り2割の人間的価値」【けんすう氏が語るAI時代の生存戦略】

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――けんすうさんご自身が今、最も力を入れているのは何ですか?

古川:YouTube、特にポッドキャスト的なものにすごく力を入れています。もともとテキストでやることが多かったんですが、テキストの価値がどんどん下がってきている。むしろ「人が喋る」みたいなところの価値が上がっているので、そこですね。情報をまとめたり整理して伝えるというテキスト業務も残るとは思いますが、そんなに価値を感じてもらえないだろうな、と。

この取材もおそらくライブ配信することに価値があって、記事は後で文字起こしにして5分で作る、ということが増えてきそうです。今までそこ(書き起こしや編集)が価値だと思っていたし、得意だったんですが、そこの仕事はいらなくなってきているな、と感じますね。AIは、めちゃくちゃキャッチアップが早い「超頭のいい新人」が何人も周りにいる感じ。その状態だと、自分で記事を書かないほうがいい、となっていくに近いですね。

マネジメントでAIが代替できるもの

――「『もう1on1は要らない』とメンバーに言われた」というエピソードも衝撃的でした。AIがコミュニケーションやマネジメントの一部まで代替していくのでしょうか?

古川:マネジメントは広く使われる言葉ですが、大きく「戦略の策定」と「実行」に分かれます。実行もさらに「業務達成」「人材マネジメント」「組織マネジメント」の3つがあります。1on1は主に「人材マネジメント」の話ですね。

1on1の中でも「業績管理マネジメント的なもの」、たとえば「進捗どうなってる?」とか「なんで終わってないの?」とか、出てきたアウトプットに対して「誤字脱字があんだけど」とか。あれは、お互いストレスなので、人がやんないほうがいいと思ってます。

一方で、人間関係をよくするための雑談とかは、みんな嫌じゃないので残っています。AIと相性がいいのは、「これ、何度も聞いたら申し訳ないな」と人間側が思うようなこと。納得するまで聞き続けるとか、表面的な議論とかは、新人がするのも省かれるし、新人に聞かれるのも面倒くさい。これはAIに答えてもらうほうがよかったりします。

次ページ複数人1カ月かかったことが1人1時間でできる
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事