「心のうねりはあったけど、照之の人生」 90歳の浜木綿子さんが語る…シングルマザーとして育てた《息子・香川照之》の驚く決断を受け入れたワケ

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浜木綿子さん 香川照之さん
「一番の宝物」と表現する1人息子の照之さんを抱く浜さん(写真:本人提供)
「不幸に負けない。負けるのは最大の不幸」。
今年90歳を迎えた、女優・浜木綿子さんはそう語ります。
市川猿之助(二代猿翁)さんとの結婚、そして離婚――。1人息子の照之さん(俳優の香川照之さん)を育てながら女優として数々の名作を彩ってきた浜さんが、苦労しながらもかけがえのなかった日々を振り返ります。
本稿は、『浜木綿子 楽しく波瀾万丈』より一部抜粋・編集のうえ、お届けします。

「おやじを舞台に出したい」と言い出した照之

照之(※俳優の香川照之)が歌舞伎界入りを宣言して浜を驚かせたのは2011年のことであった。(三代)猿之助は博多座で公演中の2003年11月17日に入院し、翌年、いったんは舞台復帰したものの、体調を悪化させ、闘病生活に入っていた。

「『おやじを助けたいんだ』と口にしたのが始まりでした。照之はもともと口数が少ないんですよ。やがて『おやじの病気を治したい』になり、さらに『おやじを舞台に出したい』に変わりました」

照之の考えはひとつまたひとつとすすんでいく。

「次が『息子の政明を歌舞伎役者にしたい』でした。私は歌舞伎の世界を知らないので、『そういうことが許されるのかしら』と思っていましたら、今度は自分が歌舞伎役者になっておやじと舞台に出演すると言い出しました。『猿之助さんは出られる状態なの?』と問い返すと、『大丈夫です』と言うんです。どんどん動き出して襲名が決まりました」

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