「この家を出なければ殺してしまう」酒と男に依存する母、娘から"搾取"続ける父に絶縁後まで苦しめられ…毒親育ちの作家が語る「壮絶すぎる半生」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
アルテイシアさん
“毒親”にまつわる生々しいエピソードを打ち明けてくれたアルテイシアさん(写真:本人提供)

「この家を出なければ、親か自分を殺してしまう」

約30年前、必死の思いで“毒親”から逃げ出した18歳の少女がいた。兵庫県神戸市在住の作家・アルテイシアさんだ。

“毒親”育ちは罪悪感に苛まれる人も多い

毒親とは、過干渉や暴力、ネグレクトなどで子どもの人生に悪影響をおよぼす親のことを指す。アルテイシアさんは、アルコールに依存し自傷行為を繰り返す母と、娘をも搾取の対象にし、「金を貸さないと自殺する」と脅してくる父のもとで育った。

のちに両親はともに遺体で発見され、父が遺した数千万円もの借金を背負わされた経験をもつ。

そうした過去の体験を著書『生きづらくて死にそうだったから、いろいろやってみました。』(講談社刊)、『離婚しそうな私が結婚を続けている29の理由』(幻冬舎刊)などに赤裸々かつユーモアたっぷりにつづり、親子関係に悩む人々から「救われた」「楽になった」「不謹慎だけど爆笑しました」と多くの共感を得ている。

テレビやSNSなどの影響で「毒親」という言葉は広まりつつあるが、毒親育ちゆえの苦しさは、当事者にしか理解しにくい部分がある。

世の中にはまだ「親と子はこうあるべき」という価値観が根強く残っており、そのはざまで「親を許し、愛せない自分はひどい人間じゃないか」と罪悪感に苦しんでしまう人も多いという。

アルテイシアさんも罪悪感に苛まれてきたひとりだ。自分が悪いと責め続け「世界から消えてしまいたい願望」が強かったそうだが、今は「わんぱくでもいい、長生きしたい」と意欲的だ。なぜアルテイシアさんは罪悪感を手放すことができたのだろうか。その軌跡をたどる。

次ページ母親は「学歴コンプレックス」まみれ
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事