なぜか離れていく若い部下たち…原因は上司の話し方? 《 若手がすぐ辞める》職場で上司が「忘れている」話し方の盲点

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どんなに素晴らしい豪華なプランでも、相手視点で考えなければ刺さらない。

話し方も同じだ。

自分視点から相手視点への切り替えこそが大事で、これが新刊『わかりやすさよりも大切な話し方』で提唱している「話し方改革」なのだ。

「結論ファースト」の話し方に混乱する新人

IT企業の営業課長Aさんは、データを駆使した論理的な話し方を意識するようにしていた。実は多くの部下から、

「A課長は何を言っているか、よくわからない」

「話が抽象的すぎる。もっと具体的に話してくれないと、わかりづらいよね」

このように言われていると人づてに聞いたのだ。

少なからずショックを受けたA課長は「もっとわかりやすい話し方をしよう」と決め、どんなときも論理的に話すよう心がけた。

そんなときに、新入社員のBさんがA課長の部下になった。Bさんは感覚的に物事を捉えるタイプ。直感を大切にし、人との温かいつながりを重視する性格だった。

営業戦略会議で、A課長はいつものようにデータを並べ、部下たちに問いかけた。

「これまでの活動実績を見ると、新規開拓の提案率は23.4%。既存顧客に対しては45.8%。どちらを優先すべきか、明白だよね」

これに対してBさんが質問した。

「そうでしょうが、新規の開拓も必要ですよね?」

A課長は優しく頷きながら、「その通り。新規開拓もすごく重要だ。しかし、社長が打ち出している経営方針から考えると、短期視点で売り上げをアップさせなくちゃいけない」と答えた。

すると「わかりました。既存のお客様に対して、しっかり営業活動をしていきます」、とBさん。

「しっかり営業活動するって言うけど、具体的にどうしたらいい?」

「え? ど、どうしたらいいんですか?」

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