不登校を繰り返す姉妹の"切なすぎる原因"――子どもの問題行動は、家族を守るためのサインかも

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悩む女の子のイメージ
不登校の原因が、学校の問題ではないケースも。子どもの行動に隠された本当の意味について考えてみましょう(写真:C-geo/PIXTA)
「あの子、最近なんか元気ないな」「いつも学校であったことを話してくれていたのに、ほとんど口をきいてくれない」――。子どもの小さな違和感に、胸がざわつくことはありませんか。
「思春期の子どもたちは、心の内をうまく言葉にできません。でも、言葉にしないからといって、何も感じていないわけではないのです」と言うのは、3万人の親子に寄り添ってきたスクールカウンセラー普川くみ子さんです。10代の子どもたちの沈黙の奥に隠された「声なき心」を私たち親がどうやって感じ、受け止め、寄り添っていけばいいのでしょうか。普川さんの新著『10代の子どもの心の守りかた』を一部抜粋しお届けします。
1回目:『「生き方を変えることも」子を縛る”呪いの言葉”
2回目:『「あなたなんて死ねばいい」娘に言った母のその後
子どもの行動にひそむ家庭の課題に気づく
――子どもの問題行動は、家族を守るためのサインかもしれない

不登校の話題になると、よく「子どもが学校に行けないのは、学校に何か原因があるからだ」と言われますが、必ずしもそうとはかぎりません。

さまざまな要因が複雑に絡み合う中で、不登校の原因がじつは「家庭の不和」にあったというケースを、私はこれまでにいくつも見てきました。

「学校に行きたくない」本当の理由

あるご家族のケースです。

小学5年生の長女が「学校に行きたくない」と言って、休み始めました。しかし、彼女は学校生活に不満を抱えている様子もなく、トラブルの兆しも見当たりません。

心配したご両親は、長女と何度も話し合いを重ね、学校や病院にも相談して、不登校の原因を探りました。

そうこうしているうちに、彼女は再び学校に通えるようになりました。原因は結局わかりませんでしたが、ひとまず問題は解決したようだということで、ご両親もひと安心。

ところが2カ月ほど経ったころ、今度は小学3年生の妹が「学校に行きたくない」と言い始めたのです。姉と同様に、学校でのトラブルや病気の気配はありません。困惑したご両親は、再び一緒になって、その原因を探り始めました。すると不思議なことに、しばらくすると妹も自然と学校に通えるようになったのです。

この姉妹に、一体何が起きていたのでしょうか。

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