
「なぜ正論を言っているのに、若手社員はまったく動かないんだ……」
データを示し、ロジックを整え、完璧なプレゼンをした。なのにZ世代の部下たちの反応は薄い。「わかりました」とは言うものの、行動は変わらない。
一方で、映画『鬼滅の刃 無限城編』には、「2回も観に行った」「私は3回!」と言っている。
「何がそんなに面白いの?」と質問しても、「見に行かない理由がないです」「せっかくだから、部長も観に行きましょうよ」と返される。部長としては、なんだか納得いかない。「私が指示したことも、やらない理由はないはずなんだが……」と愚痴のひとつもこぼしたくなるだろう。
そこで今回は、Z世代の部下を動かし、職場でムーブメントを起こすための実践的な方法を解説する。特に部下育成に悩むリーダーは、ぜひ最後まで読んでほしい。
『鬼滅の刃』ヒットから考えてみる
2020年に公開された映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、興行収入400億円を突破。今夏(2025年)に公開が始まった『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章』は、それに迫るほどの人気だという。
私の周りでも、普段アニメを観ない大人たちまでが映画館に足を運んでいる。なぜこれほど多くの人が動くのか?
もちろん作品の完成度が高いのだろう。原作の漫画、アニメの人気もある。しかし、それだけでなく、「観るのが当たり前」「みんなが観ている」という空気が広がり、それが人々の行動を後押しした側面がある。
「観に行かない理由がない。それぐらい面白い。最高だ」
このように感情的な高揚と集団的な熱狂で、非合理的な論理がまかり通ってしまうほどムーブメントになってしまえば「強い」。
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