“怒られない優しさ”より、Z世代が欲しいのは“ちゃんと見てるよ”という期待

“優しさ”のつもりが“距離感”に? Z世代には「ちゃんと見てくれている」という実感が重要なのです(写真:metamorworks/PIXTA)
ミスをしても怒られなかった。ホッとしたけど、どこか寂しい。「優しくしてほしい」のではなく、「ちゃんと見て、必要なときには厳しく伝えてほしい」と願ってしまう瞬間がある。
本稿では、『Z世代コミュニケーション大全』を上梓し、自身もZ世代である梅畑友理菜氏が、Z世代のリアルな声を紹介。「怒られない=期待されていない?」というZ世代の不安や、優しさが“距離”として伝わってしまう背景にある心理を掘り下げながら、「ちゃんと見てくれている」実感がなぜ重要なのかを紐解いていく。
ミスをしても怒られない不安
ある飲食店で働くZ世代のAさん(22歳)は、オーダーミスをしてしまいました。しかし、先輩のBさん(38歳)は「まあ、誰にでもあることだから」と冷静に対応してくれました。怒られることはなく、むしろ優しい言葉をかけられたAさんは一瞬安心したものの、「それで納得してよいのだろうか」と、その対応に疑問を感じました。
数日後、Aさんが再び同じようなミスをしてしまったときも、Bさんは冷静に対応してくれました。Bさんは「怒るほどのことではない」と言っていましたが、その後Aさんが新しい仕事を提案しても「今はいいよ。大丈夫。」と言われ、次第に任せてもらえる仕事も減っていきました。
Aさんは、ミスをしても怒られないこと自体には感謝していたものの、次第に「もう期待されていないのでは?」と感じ始め、不安が募っていきました。怒られないことが、関心を持たれていないサインのように感じてしまったのです。
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