「論破より空気がZ世代を動かす」『鬼滅の刃』大ヒットに学ぶ、職場のムーブメントの作り方

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この時点で、8人中5人が同じ方向を向いていると、「集団同調性バイアス」が働く。残りの3人も徐々に態度を変えていくものだ。「長いものに巻かれる」という言葉があるが、これは決して悪いことではない。人間が持つ自然な心理を活用した、効率的なテクニックなのだ。

ある企業の企画部主任は、この方法で会社全体の空気を変えた。

部署横断型プロジェクトを立ち上げ、「わざわざGO!」というスローガンを作った。「何事にもチャレンジし、わざと失敗しろ」という意味だ。最初は9人だけが使っていた言葉が、やがて社内中に広まり、「失敗を恐れない社風」が定着した。

Z世代が求めているもの

Z世代の若者には、データや理屈で「論破」しようとするのはやめよう。

Z世代は「空気」「雰囲気を大切にする傾向がある。それは彼ら彼女らが「つながり」を重視する世代だからだ。SNSで常に他者とつながり、「いいね」の数で承認を得る。そんな彼らにとって、周囲との一体感や共感こそが行動の大きな原動力なのだ。

だからこそ『鬼滅の刃』のような現象が起きる。「みんなが観ている」という事実が、何よりも強い動機になる。胸の中にあった小さな種火に火がつくのだ。

職場でも同じだろう。正しさより、楽しさ。論理より、共感。それがZ世代を動かすキーだ。そのためにも、まずは小さな変化から始めよう。空気を変えるのだ。すぐに火がつく「自燃人」をその気にさせ、楽しそうな雰囲気を作る。それが広がり、やがて大きなムーブメントになる。

論破では人は動かない。空気が人を動かすのだ。

横山 信弘 アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役社長

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よこやま・のぶひろ / Nobuhiro Yokoyama

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。近著に『トップコンサルタントの「戦略的」勉強法』。

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