売りは「おもてなし」ではなく「おせっかい」。《スタッフが勝手に「してあげたい!」と思ったことをする旅館》が愛される理由

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Nazuna 京都 椿通
「おせっかい」を売りとする旅館「Nazuna 京都 椿通」は、町家が立ち並ぶ路地一帯を改修して誕生した。23棟の長屋がそれぞれ客室として生まれ変わり、花街のような雰囲気が旅館の中で味わえる(写真:Nazunaプレスリリースより)
とかく煙たがられる「おせっかい」。「いらぬおせっかい」は確かに迷惑なこともあるが、おせっかいな人がこの世の中からいなくなってしまったら、日本はもっと殺伐としてしまう気もーー。
令和にこそ見直したい「おせっかい」の価値について、フリーランス記者の宮本さおりさんがシリーズで取材します。
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「おせっかい」を売りに、国内外の客の心をつかんでいる旅館があるという。

京都市下京区、大宮高辻の交差点を曲がってすぐのところに、その旅館はあった。混雑することでおなじみの京都市バスのバス停から歩いて1分。周辺を歩いてみたが、特段京都の風情が感じられるという地域でもない。

繁華街のある祇園エリアへは、宿から徒歩6分の阪急電車の大宮駅を使えばたどり着けるが、観光地を巡る立地としては、さほど便利な場所ではない。

宿の前まできても、その門構えは正直「あれ、ここ?」という感じ。「おせっかい」を売りにする旅館と聞いていたので、こちらの勝手な想像で、立派な門構えの旅館を想像していたからだった。

NAZUNAの門
「Nazuna 京都 椿通」の門構え(写真:筆者撮影)

ところが、小さな間口の正面玄関をくぐり、フロントを過ぎるとそこは別世界、風情ある町家が目に飛び込んできた。

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