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高市・自民党新総裁で力を得る「リフレ派2.0」。アベノミクスの系譜を継ぎつつ、独自色もにじませる

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10月4日、自民党の新総裁に選出された後、記者会見する高市早苗。女性総裁は自民党結党以来初となる (写真:時事)

夏の盛りは過ぎたはずなのに、なお強烈な暑さが残る9月3日。首相官邸の裏に立つ高級ホテルのレストランで、小ぢんまりとした会合が開かれていた。

中心にいたのは高市早苗。このときはまだ首相の石破茂が退陣を表明しておらず「将来の自民党総裁候補者」の一人だったが、会合では経済問題が議論されていた。

昼食を交えて高市にアドバイスをしたのは、元日本銀行審議委員、大学教授、エコノミストら4人。彼らの共通点は世の中から「リフレ派」に分類されていることだ。

この経済政策に関する「チーム高市」の立ち上げで中心的な役割を果たしたのは、元内閣官房参与の本田悦朗だ。日銀総裁人事で候補者になったこともある本田は、以前から高市も参加する勉強会などで持論を展開してきた。

集まったメンバー。その中心にいる保守派政治家。議論される政策──。

「アベノミクス」の再来か

既視感がある。アベノミクスを打ち出した安倍晋三政権の初期と同じ光景だ。側近として官邸に陣取った本田は、リフレ派メンバーと連絡を取り合い「大胆な金融緩和」の青写真を作り、消費税率の引き上げに慎重な姿勢を示し、安倍に強い影響を与えた。円安と株高が進んだのも今と同じだ。

リフレ派は、「2年で2%の物価上昇」をうたった異次元金融緩和が目標達成に失敗したことに加え、安倍の退陣や死去、金融政策の正常化進展などにより発言力を失っていたが、高市の台頭を受け、復活を遂げつつある。

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