"人生100年時代"を喜んでばかりはいられない…「昭和の親孝行」は、もはや"無理ゲー"という深刻

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もはや「昭和の親孝行」モデルは現実的ではなくなったという(写真:Fast&Slow/PIXTA)
親は子を産み育てた「恩人」であり、子はその恩に報いるため、親の言うことに従い、親の期待に応えるべき――。「親孝行」という言葉からはこんなイメージを思い浮かべる人も多いかと思いますが、宗教学者の島田裕巳氏は、そうした「昭和の親孝行」はもはや現実的ではないと指摘します。
主に高度経済成長期からバブル期にかけて日本社会に深く根差した「昭和の親孝行」が、なぜ時代に合わなくなってしまったのか。その5つの理由について、島田氏の著書『親じまい 介護、葬式、墓、家族関係を整理する』から一部を抜粋・編集する形で解説します。

かつて美徳とされた「親孝行」の終焉

「親じまい」という新たな親子関係のあり方について考える上で、考察の対象にしなければならないことがあります。それが、「期待に応える親孝行」モデルです。

これは、「昭和の親孝行」モデルと言い換えることもできますが、社会構造、経済状況、家族形態、そして個人の価値観の多様化といったことが起こることで、今やその根本が崩れ去ろうとしています。

「期待に応える親孝行」モデルとは、主に高度経済成長期からバブル期にかけて日本社会に深く根差した、親子の関係性と子の親に対する役割に関する規範のことを指します。このモデルは、以下のような特徴を持っていました。

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