およそ138億年前のこと(写真:SOTEEL/PIXTA)
米粒よりも小さく圧縮された宇宙が、大爆発とともにいまの大きさに膨張した――というのが宇宙の誕生に関する「ビッグバン理論」だ。
「大爆発を起こした主体は神」という説明をすれば帳尻が合うから、ビッグバン理論は神の存在を証明できない宗教側にとってはとても都合のよい理論だった。
科学にとっては宗教側(および大衆)がすんなり「ビッグバン理論」を受け入れたことは幸いだったが、宗教と科学の長年にわたる不毛な対立が完全になくなったわけではない。宗教側のご都合的解釈に否定的な1人が、スティーヴン・ホーキングであった。
全世界で300万部を売り上げた『全人類の教養大全 0』の著者であるチェ・ソンホ氏が、ある理論を自分たちの都合がよくなるように解釈するのは人間の特性だと指摘して、宗教と科学、それぞれが「宇宙の誕生」をどう見てきたかについて解説していく。
「大爆発理論」に冷ややかだった科学界
「光あれ」。
そして世界が誕生した。だけど、本当はこれだけではない。『旧約』聖書の「創世記」には、宇宙の誕生についてもうちょっと詳しく書かれている。
初めに、神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。神は言われた。
「光あれ」
こうして、光があった。神は光を見て、良しとされた。神は光と闇を分け、光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第一の日である。
『新共同訳聖書』「創世記」1章1~5節
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