大学教員のトリセツ【基礎編】"華麗なる転身"は幻? 「2026年問題」と定員割れにあえぐ《大学業界》の残酷な現実

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大学講義風景
「第2の人生」を歩む場所として考えるビジネスパーソンが少なくない大学教員。しかし、現実はそう甘くない(写真:S.N/PIXTA)
65〜69歳の就業率が5割を超えた日本。パナソニック ホールディングスのような大企業が黒字決算でありながら1万2000人の大規模リストラに踏み切り、富士通は新卒一括採用を事実上廃止した。働き盛りの40代・50代が「第2の人生」を真剣に考えざるをえない時代になった。
このような中にあって、企業人には縁遠いと思われていた「大学教員」という職業が、転職先として静かに注目されている。だが、期待と現実の間には深い溝がある。49歳で神戸大学大学院助教授(准教授)に転身し、その後、地方の私立大学で学部長を務めた筆者の経験を基に、【基礎編】【応用編】【実践編】に分けて「大学という世間」の実態を「転身」を考えている人に伝えたい。
これは警告でも礼賛でもない。冷静に判断するための「トリセツ」(大学業界入門)である。
【応用編】講義はエンタメ重視で「陽キャ」がウケる? 企業とは違う"異文化の世間"と"学会のオキテ"
【実践編】転身前に知るべき「4つの実態」、シビアな業績至上主義と狭き門を突破する秘訣&年収事情

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「実務家教員」になれれば幸せか

外から見る大学は、自由度が高く、専門性を生かせて、しかも安定した魅力的な職場に映るようだ。専任教員になれば、多くの大学で個室の研究室が与えられる。定年後、初めて大学教員に転身した人は「企業で個室が与えられるなんて、役員にならないとありえません」と、「自由人」になったかのような感動を覚えていた。

さらに、「教授」「准教授」「講師」という肩書がつく。周囲から社交辞令も含めて「大学教授への華麗なる転身、おめでとうございます」と言われれば、まんざらでもないと承認欲求が満たされる人もいる。

転職直後は、前職への不満を基準点として新しい職場のよい面ばかりが目に入り、満足度が一時的に高まる。いわゆる「ハネムーン効果」だ。

次ページだが、現実はそう甘くない
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