「宗教はビジネスだ」と言えるこれだけの理由…お金と人を獲得するための競争を勝ち抜いてきた組織を、アダム・スミスはどう分析したか
強固な組織の力を持つ宗教
宗教団体は浮世離れした言葉で教えを説いていても、効果的に成果をあげるためには、実際の行動によって信者の役に立たなくてはならない。幸運なめぐり合わせばかりに頼っているわけにはいかず、システムによって成果をあげる必要がある。
信者や潜在的な信者に対して説かれる教えの中には、実際的なものや、元気づけるもの、ためになるもの、あるいは人生を一変させるようなものも含まれている。しかしそのような教えの中身だけで、力を獲得したわけではない。
宗教団体を構成する組織自体(教会、モスク、マドラサ、シナゴーグ、寺院、祈禱会、アシュラム、修道院、集会所)が、19世紀の経済学者アルフレッド・マーシャルのいう「日常の営み」に携わらなくてはならない。
宗教団体は人を集め、資金を調達し、予算を配分し、施設を管理し、交通を手配し、職員やボランティアの意欲を引き出し、教えを宣べ伝えている。その際には、ほかの組織と、資金や忠誠心や活力や関心をめぐって競争しているのだという意識を強く持っている。




















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