損な役回り? 私が「管理職」を目指した2つの理由 岡田 武史 ×工藤 勇一が語る新しい時代のリーダー像

岡田武史氏と工藤勇一氏が、新しい時代のリーダー像について対談しました
過去のロールモデルが通用しない時代になっている今、リーダーに求められるのは従来のトップダウン型・ボトムアップ型を超え、仲間と共に並走しながら進む新しいリーダーシップの形――「キャプテンシップ」です。
これを提唱するのが、サッカー日本代表監督として数々の偉業を成し遂げ、現在愛媛・今治の地で新しい「教育×地方創生」の形に挑戦する岡田武史氏と、岡田氏と共に教育現場の最前線でリーダー教育に努める工藤勇一氏です。
2人の経験と試行錯誤を通じて到達した「不確実な時代に求められるリーダー像」について語り合った『THE CAPTAINSHIP(ザ・キャプテンシップ)』を一部抜粋し再構成のうえお届けします。今回はビジネスパーソンの「管理職に魅力を感じない」という悩みにお2人が答えます。
「リーダーを目指さない自分の未来」を想像してみる
Q、自分も含め、同世代には管理職になりたくない人が増えている気がします。リーダーは損な役回りじゃありませんか?
2023年に日本能率協会マネジメントセンターが行った調査によると「管理職になりたくない」と答えた一般社員は77.3%。一方、パーソル総合研究所が2022年に18の国や地域を対象に行った調査でも、「管理職になりたい」と答えた日本人の割合は19.8%と最下位だったそうです。
現場のリーダーと言える管理職になりたいと考える人が減っている傾向について、お2人はどう思いますか?(30代)
2023年に日本能率協会マネジメントセンターが行った調査によると「管理職になりたくない」と答えた一般社員は77.3%。一方、パーソル総合研究所が2022年に18の国や地域を対象に行った調査でも、「管理職になりたい」と答えた日本人の割合は19.8%と最下位だったそうです。
現場のリーダーと言える管理職になりたいと考える人が減っている傾向について、お2人はどう思いますか?(30代)
岡田:僕が監督から経営者になって、会社で研修制度の整備が必要だと痛感した出来事がありました。ある社員のサッカーコーチを「アカデミーダイレクター」(育成部門を統括する責任者)という役職に任命したのです。
本人は現場のコーチとしては優秀で、性格もいい人間なのですが、コーチを評価する側になったプレッシャーでとうとうある日、会社に来られなくなってしまった。
「彼は管理職に向いていなかったのか」と思ったけれど、それですませてしまっていいのだろうか、と。結局、彼に「管理職とはどういうことか」を教えていなかったのだと、反省したのです。
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