森保一氏と栗山英樹氏が「いい人」なのに勝てる理由 岡田 武史 ×工藤 勇一が語る新しい時代のリーダー像
「俺について来い」の時代の終わり
岡田:2022年のカタールW杯で、日本代表はサッカーの強豪国であるドイツ、スペインに勝利し、参加国中9位に躍進しました。勝因は、選手たちが見せた主体性あるプレーと、それを最大限に引き出した森保監督のキャプテンシップだったと思います。
森保監督は、2018年に代表監督に就任してからずっと「我」を全面に出さず、選手たちに戦術を押しつけることをしなかった。まず彼らの主体性を引き出すことに専念していたわけです。
その姿勢にメディアやファンが物足りなさを感じて批判する場面もありましたが、結果として大舞台で一人ひとりが勝つために自ら考え、動き、チームとして連動して戦うことができていた。
例えば、レギュラーメンバーの堂安律選手や久保建英選手が周囲の選手とあうんの呼吸を感じさせるポジショニングで相手の左サイドを攻略していたシーンなどは、選手たちが試合の状況に応じて自分たちで臨機応変にプレースタイルを変えていることが見て取れました。

















