結婚しても子どもをもたない夫婦、いわゆる「おふたりさま」が増えている。
共働きが多く経済的に豊か、仲よし夫婦が多いなどのメリットはあるものの、一方で「老後に頼れる子どもがいない」という不安や心配がある。
そんな「おふたりさまの老後」の盲点を明らかにし、不安や心配ごとをクリアしようと上梓されたのが『「おふたりさまの老後」は準備が10割』だ。
著者は「相続と供養に精通する終活の専門家」として多くの人の終活サポートを経験してきた松尾拓也氏。北海道で墓石店を営むかたわら、行政書士、ファイナンシャル・プランナー、家族信託専門士、相続診断士など、さまざまな資格をもつ。
その松尾氏が、増加傾向にある「死後離婚」(配偶者の死後、その血族と縁を切ること)について、わかりやすく解説する。
長年、「姑や小姑からの嫌味」に耐えてきた
共働きで仲良く暮らしてきたA男さん、A子さんご夫妻がいました。
しかし、夫のA男さんが60代半ばで急逝。長寿社会の日本において、60代で亡くなるのは、少し早いお別れです。
妻のA子さんは悲しみに暮れました。
お互いに長年働いてきた会社を定年退職したばかりで、これから趣味や旅行を一緒に楽しもうという矢先だったのです。
葬儀では、当然、夫のA男さんの両親(80代)やお姉さんとも対面します。
A子さんは、この義理の両親と姉が大の苦手でした。
A子さんの子育てや仕事などについて、昔からことあるごとに嫌味を言われ続けてきたからです。
「A男がこんなに早く亡くなるなんて、妻であるA子さんの健康管理に問題があったんじゃないの?」
「A子さんが仕事ばかりしていたから、A男も気が休まらなかったでしょうね」
葬儀ではこんなことも言われましたが、A子さんは涙をこらえ、じっと耐えたそうです。
そのうえ、A男さんの実の姉からは、驚くようなセリフが飛び出したのです。
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