「A子さん。あなたはもう仕事を辞めたのだから、両親の介護はお願いね」
「A男の遺産やあなたの退職金もたくさんあるでしょう。それで両親の面倒をみてあげてね」
A子さんは、義理の姉からの言葉に驚きました。
夫が生きているならともかく、夫亡き後、義理の両親の面倒をみる気はなかったからです。
いわゆる「お嫁さん」に介護の義務はある?
介護は実子、などと言われてひさしい世の中です。昔のように「お嫁さん」が義理の両親の介護を一手に引き受けるというようなケースは、減りつつあるでしょう。
それでも、まだまだそういった古い価値観も残っています。
民法では「直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない」とされています(違反しても罰則があるわけではありませんが)。
つまり、実子や孫、同居する親族には介護義務があるのですが、A子さんには当てはまりません。
A子さんと義理の家族、つまり「婚姻によってできた親戚」は「姻族」といいます。
姻族に介護義務はありませんが、夫が亡くなったとしても、縁が切れるわけではありません。
困ったときに助け合いが望まれる関係性は残るのです。
亡くなった夫には申し訳ないけれど、A子さんは義理の家族とは「もう親戚付き合いさえしたくない」「完全に縁を切りたい」と考えました。
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