「面接で聞いていた話と違う…すぐに辞めよう!」 退職代行を2回利用「リピーター」となった彼の"その後"

退職代行サービスを2回利用したときのことを振り返る松田さん(写真:筆者撮影)
社会的に注目されている「退職代行サービス」。「仕事をすぐ辞める“責任感のない若者”」――そんな印象で利用者について語られがちな退職代行だが、ハラスメントやメンタル不調で追い詰められた人には文字どおり命綱になるケースもある。
退職代行業者による情報発信を除くと、利用者自身の声は意外と少ない。本連載では、退職代行サービスで会社を辞めてから一定期間が経過した当事者に取材。なぜ退職代行を利用するに至ったのか、その後の人生やキャリアをどのように切り拓いているのか掘り下げる。
前編記事「『退職代行のリピーター』の彼に起こった体の不調」に続いて、松田さん(33歳)が退職代行サービスを2回利用するまでに至った経緯と、フリーランスになった現在の様子をお届けする。
部屋の扉を開こうとすると体が動かなくなる
私立高校で理科の実験助手として2年間働いた後、未経験でIT系の企業に転職した松田さん。研修期間の2カ月を終えた後、クライアントの開発チームに常駐し、決済システムの開発プロジェクトに参加した。
入社した当初はプログラミング言語を覚えながらコードを書くことが楽しかった。しかし、1年が経った頃に徐々にストレスが身体を蝕むようになる。布団に入っても明け方まで眠れず、1時間しか睡眠時間を取れない日もあったという。
週に1回のペースで会社を休むようになり、そのペースは徐々に増えていった。
「朝になったら『出社しよう』と思うんです。でも、部屋の扉を開こうとすると体が動かなくなるんです。それで休み日が増えていきました。最初は1日だけでしたが、2日連続で休む日も増えてきました」
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