「仕事をすぐ辞める責任感のない若者」という声もあるが…。「退職代行のリピーター」となった彼に起こった体の不調

退職代行サービスを2回利用したことがある松田さん(写真:筆者撮影)
社会的に注目されている「退職代行サービス」。「仕事をすぐ辞める“責任感のない若者”」――そんな印象で利用者について語られがちな退職代行だが、ハラスメントやメンタル不調で追い詰められた人には文字どおり命綱になるケースもある。
退職代行業者による情報発信を除くと、利用者自身の声は意外と少ない。本連載では、退職代行サービスで会社を辞めてから一定期間が経過した当事者に取材。なぜ退職代行を利用するに至ったのか、その後の人生やキャリアをどのように切り拓いているのか掘り下げる。
「退職代行」のリピーター
「仕事のスケジュールや趣味で書いている小説のネタをひとつにまとめているんです」
インデックスがいくつも貼られた手帳はパンパンに膨れ上がっていた。開いてもらったページにはメモがびっしりと書き込まれている。松田さん(33歳)のマメな性格がうかがえた。
無地の白いTシャツを着た松田さんはフリーランスとして働いている。携わるのは主にIT業界だ。プログラミング言語のPythonを駆使してアプリを開発したり、技術系のメディアに記事を寄稿しているという。
松田さんは生物系の大学院を修了した後、4年間で3社に勤めた。そのうち2社目と3社目で退職代行サービスを利用したーーいわゆる退職代行のリピーターだ。
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