「仕事をすぐ辞める責任感のない若者」という声もあるが…。「退職代行のリピーター」となった彼に起こった体の不調
転職をした後、2カ月の研修を終えた松田さんは、客先には「経験者」として常駐することになった。スーツを着用し、常駐先のチームで目標に向かって働いていくーー一実験助手の仕事とは正反対の会社員生活が始まった。
SES業界では、研修期間を“実務に準じる経験”として扱うケースも珍しくなかったという。最近ではこうした換算方法が訴訟の対象になる事例も報じられ、業界全体で是正が進みつつあるが、当時の松田さんは表向き“経験者”とされながらも実力不足を痛感し、必死で業務に食らいついた。
「常駐先に先輩は5、6人いたので、わからないところを聞きながら働きました。未経験でチームに貢献できないのが悔しくて、飲み会の幹事などを引き受けていました」
プレッシャーを感じ次第に会社を休むように
エンジニアの仕事にやりがいはあった。土日にもプログラミングの勉強にも励んだ。「大変でしたけど、新しい技術を身につけるのは楽しかったです」と振り返る。
しかし、入社して1年が経つと徐々に体に不調が起こるようになる。
「就業時間内にバグを解決する方法を見つけられないことが多くて、家でもずっと考え込んでいました。それにエンジニアって技術の勉強も続けないといけないんですよね。それもプレッシャーに感じてしまって……。次第に会社を休むようになったんです」
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