専門家が「子どもでもわかる」ように解説! ロシアによるウクライナ侵攻の背景にある"冷戦時代"の記憶

ロシアによるウクライナ侵攻の背景を、子どもでもわかるように解説します(写真:YsPhoto/PIXTA)
「なぜロシアとウクライナは戦争をしているの?」。テレビのニュースを見ていて子どもからこう聞かれたとき、上手に説明してあげることができずに困った経験がある人も多いのではないでしょうか。
そこで本稿では、東京大学先端科学技術研究センター准教授・小泉悠氏が監修した『僕らは戦争を知らない 世界中の不条理をなくすためにキミができること ハンディ版』から一部を抜粋・編集する形で、ロシアによるウクライナ侵攻の背景を、子どもでもわかるように解説します。
※本稿は2023年7月時点での世界情勢を主に解説しています。
そもそも「戦争」って何?
「戦争」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか。爆弾やミサイルなどで街が破壊され、たくさんの命が奪われる、そんなイメージをもつ人が多いことでしょう。戦争が怖いものであることはみんな知っているはずなのに、なぜ世の中では戦争が起こるのでしょうか。
「戦争」を『広辞苑(第7版)』でひくと、「武力による国家間の闘争」と出てきます。「国家」とは、「領域(領土)、国民、主権(その国の政治を最終的に決定する権力)」の3つの条件をもつ共同体のことです。
2023年現在、世界には約190の国があります。国と国とが、政治的な立場の違いや宗教・民族の違い、あるいは領土や資源をめぐる問題などで対立し、それらを解決する手段として武力を伴う行為に発展すると、「戦争」になるのです。
武力を伴う行為自体には、1つの国の中で起こる紛争や内戦、テロ行為も含まれますが、本稿では主に、国と国とのあいだで起こる戦争について見ていきたいと思います。
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