「自分は全知全能の神」…《教育虐待する親》の"恐ろしき実態"伝える「作家・石井光太」の思い 「医大生の性暴力事件」「中国人爆入学」なども聞く

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勉強をする小学生と教えるママ
当人たち自身にも自覚がなく、発見されにくい「教育虐待」について、作家の石井光太氏に聞く(写真:kouta/PIXTA)
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現代特有の社会問題のひとつである親から子への「教育虐待」。
親の過剰な教育が子の心身を傷つけ、一生残る心の傷になることも少なくない。しかし、当の親は無自覚なうえ、子は被害に遭っていることに気付けないから、表面化しにくい。
そんな教育虐待の現実を広く伝えようとするのが、さまざまな社会課題や人権問題にフォーカスする作家の石井光太氏だ。同氏の著書『教育虐待 -子供を壊す「教育熱心」な親たち-』(ハヤカワ新書)をもとに新たに原作を描き下ろした漫画が、新潮社のウェブマンガサイト「コミックバンチKai」で連載されている。
今回は石井氏に、コミック最新第4巻で取り上げる「エリート医学生が起こした性暴力事件」「教育インフルエンサーママの弊害」「日本の大学への中国人爆入学」などについて聞いた。

統計に表れない、社会に見過ごされやすい虐待

ーーさまざまな社会課題や人権問題を取り上げるなか、教育虐待に着目したきっかけを教えてください。

教育虐待という言葉は10年ほど前からありますが、親や塾などによる過剰な教育について危機感を持ったのもその頃です。

一般的な虐待の概念には当てはまらなくても、勉強やスポーツなどにおける過剰な教育が子どもたちを苦しめている現状があり、それは統計にも表れないから、世の中にほとんど知られていない。したがって、書籍として出版することにしました。

ーー虐待の中でも、教育虐待特有の難しさはありますか。

特徴のひとつは、社会に見過ごされやすいことです。例えば、身体的な虐待や性的な虐待は発覚しやすいし、当人の自覚もあります。しかし、教育虐待は加害者も被害者も虐待と認識していないんです。

世間的には「教育熱心な親」で片付けられてしまう。被害者である子も、親は自分のためにやってくれていると考えるので、当人たち自身が気付かないから、発見されにくい。

もうひとつは、症状がけっこう後になって出ることがあります。受験に成功して、大学生や社会人になってから、自分で何も決断ができなかったり、愛着障害が表れたり、親子関係の築き方がわからないといった形で表面化するケースがあります。そういう面が特徴のひとつです。

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