ロシアの「地政学空間」を理解すれば、同国の行動原理がわかってくる。
2024年3月15~17日に実施されたロシア大統領選挙で、予想どおりプーチン大統領が圧倒的な得票率で再選された。これで、「プーチンのロシア」は少なくともあと6年間は続くことが確定した。
西側の政治家や専門家の中には選挙の正当性を疑う声も上がっているが、87%という得票率を見れば、ロシア国民がプーチン大統領を強く支持していることは明らかである。ロシアと西側との対立が深まる現在、「プーチン以外に誰がいるのだ?」ということなのだろう。
選挙結果は同時に、ロシア国民の大半がプーチン大統領のウクライナ侵攻作戦を支持していることを示した。なぜ、ロシア国民は隣国への軍事侵攻を肯定的に受け止めているのだろうか。これを理解するためには、ロシアという国の歴史と地政学的なポジションをよく理解する必要があるだろう。
歴史を通じて獲得してきた地域
歴史的にかつてのロシア帝国のうち、現在のウクライナは「小ロシア」、ベラルーシは「白ロシア」と呼ばれてきた。
さらに現在ロシアが実効支配しているウクライナ東部のドンバス地域やクリミア半島は「新ロシア」(ノヴォロシア)と呼ばれてきた。実はこれらの地域は、初めからロシアの一部であったわけではない。歴史を通じて、ポーランドやリトアニア、そしてトルコとの勢力争いを戦い、獲得してきた地域なのだ。
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