いまだ続くウクライナ侵攻、対ロシア制裁の抜け穴 期待された効果を発揮しているとはいえぬ理由

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
西側諸国による対ロシア制裁の実態とは(写真:Graphs/PIXTA)
ロシアがウクライナに侵攻してからおよそ1年半、西側諸国はロシアに対してさまざまな経済制裁を行ってきました。しかし、そこにはいくつかの「抜け穴」があったとライターの沢辺有司氏は語ります。ウクライナ侵攻に至るまでの流れを踏まえ、対ロシア経済制裁の実態と日本への影響について紹介します。
※本稿は『いちばんやさしい地経学の本』から一部抜粋・再構成したものです。

ウクライナ戦争にいたった背景

2022年2月におきたウクライナ侵攻をめぐっては、西側諸国からロシア制裁が発動されています。経済制裁は地経学的な戦略です。どのような制裁が行われ、どのような影響がでているのか、ウクライナ戦争にいたる流れとともに見てみましょう。

2014年3月のクリミア併合後、その衝撃はウクライナ東部のドンバス地方に伝わり、ロシア系住民によるロシア編入を求める分離独立運動がおきました。ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国が樹立され、それぞれ独立を宣言しました。

これに対しウクライナ政府は軍を投入し、鎮圧にかかりました。ロシアからは「義勇兵」が送り込まれ、ウクライナは事実上の内戦状態に突入します。

次ページ停戦合意、しかし…
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事