中国依存からの脱却を図る「韓国」新たな対日姿勢 「ホワイト国」復帰に見る日韓の地経学的攻防

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対中輸出に依存してきた韓国経済(写真:Graphs/PIXTA)
朝鮮半島に位置する韓国は歴史的に見て、大陸国家である中国・ロシアと海洋国家である日本・アメリカの緩衝地帯として存在してきました。冷戦以降は急成長した中国に接近し、長らく経済を対中輸出に依存してきた韓国ですが、今は大きな転換点を迎えているとフリーライターの沢辺有司氏は語ります。韓国の方針転換に伴い、日韓関係は今後どのように変化していくのでしょうか。
※本稿は『いちばんやさしい地経学の本』から一部抜粋・再構成したものです。

朝鮮半島はユーラシア大陸の東のバッファゾーン

朝鮮半島の2つの国、韓国と北朝鮮の地経学を見てみましょう。まずは韓国です。

地政学的に見ると、中国大陸から海洋につきでた朝鮮半島は、各国のパワーがせめぎあうバッファゾーンになります。具体的には、ランド・パワーの中国・ロシアと、シー・パワーの日本・アメリカが牽制しあう場所になります。

ロシアを中心にユーラシア大陸を俯瞰してみると、西のバッファゾーンがウクライナとすれば、東のバッファゾーンが朝鮮半島ということになります。

さて、朝鮮は中国と国境を接しているので、歴史的にはつねに歴代の中華帝国の脅威にさらされてきました。中国の侵攻に対してときに激しく抵抗しますが、それが無駄とわかると、忠誠心を示して属国としての立場を受け入れます。その意味では、よくも悪くも、朝鮮にとって最も関係の深い国は、ランド・パワーの中国です。

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