中国依存からの脱却を図る「韓国」新たな対日姿勢 「ホワイト国」復帰に見る日韓の地経学的攻防

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2016年、在韓米軍が地上配備型ミサイル防衛システムTHAAD(高高度迎撃ミサイルシステム)の配備を計画しました。

すると、中国はこれに猛反発しました。THAADは北朝鮮の弾道ミサイルを想定したものでしたが、そのレーダー探知能力があまりに広いため、中国の防衛態勢まで監視されることを恐れたのです。しかし、当時の朴槿恵(パク・クネ)政権は配備に踏み切りました。

すると中国国内では、THAAD配備のため土地を提供したロッテをはじめ、韓国企業に対する不買運動が広がりました。韓国への中国人観光客は激減しました。中国政府は韓国との取引を制限する「限韓令」を敷いて、事実上の経済制裁を行い、韓国産業は大きな打撃をうけました。

そもそも韓国の対中輸出は伸び悩んでいる

韓国にとって対中輸出依存からの脱却は、重要な課題として認識されるようになります。そもそも、韓国の輸出品は以前ほど中国で売れなくなっています。対中輸出額は2000年から2013年まで伸びつづけていましたが、それ以降は伸び悩んでいます。

出所:Korea Statistical Information Service

原因は、中国製品の品質の向上です。韓国製品の優位性がほとんどなくなっているのです。韓国製のスマホや自動車は中国市場から締め出されようとしています。第3国の市場では中国が韓国のライバルになっています。それでも中国は韓国の半導体を必要としていて、輸入量を増やしています。ただ、この半導体製造においても中国は韓国のライバルになろうとしています。

つまり、韓国にとっては中国をいつまでも市場として期待できない段階にきています。

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