中国依存からの脱却を図る「韓国」新たな対日姿勢 「ホワイト国」復帰に見る日韓の地経学的攻防

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1950年にはじまった朝鮮戦争は、1953年の休戦により、北緯38度線を国境として南北の分断が固定化されました。これにより南の韓国は、北朝鮮をはさんで中国大陸から切り離され、実質的に「島国」となり、日米のシー・パワー陣営に入ります。日本からは経済支援をうけ、アメリカからは安全保障の協力を得ます。

韓国には、サムスンや現代といった企業がありますが、こうした世界的企業が育ったのは、朴正煕(パク・チョンヒ)政権(1963〜1979年)の時代です。朴政権は軍事独裁を敷きながら、外貨を導入し、自由競争をうながし、「漢江の奇跡」とよばれる経済発展をもたらすことに成功しました。

ちなみに、中国の鄧小平はこの朴政権の手法をヒントに改革開放路線をとります。一方、北朝鮮の金日成はこれを採用せず、経済は停滞しつづけました。

日米のシー・パワー陣営の一角として経済発展を遂げた韓国は、冷戦後に台頭した中国に接近し、日米との関係は悪化しました。

対中輸出依存がチョーク・ポイント

韓国経済は輸出によって成り立っています。輸出依存度の高さが韓国経済の特徴です。

韓国の輸出依存度(GDPに占める輸出額、2021年)は、35.6%です。主要国ではドイツの38.6%に匹敵する高さです。ちなみに、中国は19.0%、日本は15.0%、アメリカは7.6%です。輸出依存度が高いということは、輸出の好不調が経済に与える影響が大きいということです。しかも、韓国の輸出依存は、そのまま対中輸出依存となっています。韓国の輸出全体に占める対中輸出の割合は25.3%で、これに香港を加えると31.1%に達します(2021年)。

韓国国内では「安米経中」という言葉があります。これは「安全保障は米国、経済は中国」という意味です。韓国経済は中国に依存しているのです。もしも韓中関係に問題が生じれば、韓国経済は大きな打撃をうけます。つまり、韓国にとっての地経学的なチョーク・ポイントは、対中輸出依存ということになります。

実際、このチョーク・ポイントが狙われています。

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