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カナダ・カーニー首相が「ダボス会議」演説で示した「対トランプ」潮目の変化とは?グリーンランド問題を機に、各国は「偽りの看板」を外し始めた

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ダボス会議で脚光を浴びたカーニー・カナダ首相(写真:AP/ロイター)

カナダのマーク・カーニー首相が世界中で礼賛されている。スイスで毎年開かれる「ダボス会議」での演説があまりにも素晴らしかったためだ。

アメリカのニューヨークタイムズ紙が「ダボス会議がカナダ首相を世界政治のスターにした」という見出しを付けて報じているほどだ。

演説の内容はすでに日本語を含め多くのメディアが報じているので、ここでは要点だけ紹介する。

カーニー首相はトランプ大統領に直接言及はしていないものの、世界は今、断絶してしまい美しい物語が終わっていると指摘する。そして、「強者はしたいことをして、弱者はそれを耐え忍ぶ」という古代ギリシアの歴史家トゥキュディデスの言葉を紹介し、主要国がトランプ大統領の機嫌を損ねないよう迎合し、従順に「ルールに基づく国際秩序」という「偽りの看板」を掲げ続けていると現状を鋭く批判した。

中堅国家に結束を呼び掛けた

カーニー首相の素晴らしさは、多くの首脳が避けて通っているトランプ大統領批判を堂々と展開したことだけではない。大国主義が勢いを増す今、「もはやルールが守ってくれないなら、自らが国を守らなければならない」として、カナダを含む中堅国家は結束して行動すべきだと呼びかけたのである。

集まった世界中の経済や政界のエリートの多くが日頃思っていても口にできなかったことをカーニー首相が率直に代弁したのだろう、演説中に何度も拍手が起こり、最後はスタンディングオベーションを浴びた。ダボス会議ではほとんど例のない光景だった。

例によってトランプ大統領の反応は早かった。直後に「カナダはわれわれに感謝すべきだ。カナダが存在しているのはアメリカのおかげだ」などと批判した。

さらによほど腹に据えかねたのであろう、自身が提唱した世界の紛争解決を目指すとしている「平和評議会」から、一度は招待したカナダを排除した。

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