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未払い賃金は300億円? 急拡大するスキマバイト、横行してきた企業側の直前キャンセルにくすぶる火種/かつての「日雇い派遣」二の舞も

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未払い賃金の支払いを求めて提訴した60代の男性(左)と、男性の代理人で集団訴訟の原告募集を開始した牧野裕貴弁護士(写真:編集部撮影)

単発で短時間働くアルバイトの「スポットワーク」で、大手物流会社から直前にキャンセルされたのは不当だとして、都内在住の60代の男性は昨年11月、物流会社を相手取り、未払い賃金の支払いを求め、東京簡易裁判所に提訴した。

東洋経済コラムニストが気になるニュースの真相を解説。過去の記事はこちら

男性は昨年7月と9月にスポットワークを仲介するアプリ「タイミー」を利用して、物流会社の倉庫内作業の求人に応募してマッチングしたが、その後一方的にキャンセルされた。原告側は「マッチングした時点で労働契約が成立しており、その後のキャンセルは違法な解雇だ」と主張している。

「スキマバイト」とも呼ばれるスポットワークは、履歴書も面接も不要で、隙間の短時間に働いて、給料もすぐにもらえるという手軽さが受けて、その市場は急拡大を続けている。昨年1月公表されたパーソル総合研究所の調査によれば、スポットワークで働く人は約450万人と推計されている。

経験者の半数がトラブルを経験

学生や高齢者、副業者などの新たな働き方として普及してきた一方で、労働者保護の観点からは不十分な点も少なくない。労働組合の中央組織の連合が、経験者に実施した調査では、約半数が「仕事上のトラブルを経験した」と回答している。

「仕事内容が求人情報と違った」「業務に関して十分な指示や教育がなかった」―― 。スポットワークをめぐるトラブルの種類は幅広いが、中でも労働法上も大きな問題と目されるのが、これまで同業界で一般的に行われてきた、企業側による直前のキャンセルだ。

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