「履歴書・面接不要」ですぐに働けるスポットワーク。相次ぐ大手参入で市場拡大が見込まれる中、各社は差別化に工夫を凝らす。実際に利用する際の注意点や盲点とは。
「圧倒的ナンバーワンの地位を、今後も確立していきたい」
7月26日に東証グロース市場に上場したタイミー。スキマバイト(スポットワーク)のマッチングサービスを2018年8月に開始して以来、ユーザーを増やしてきた。26日終値は1650円で時価総額1569億円となり、今年最大のIPO(新規株式公開)となった。
上場記者会見でタイミーの小川嶺代表は、冒頭のコメントで自信を見せつつ「しっかりとサービスを磨き込み、進化させていく」と意気込んだ。
メルカリは顧客基盤2200万人を活用
タイミーのアプリには、1日単位で働けるアルバイトの求人募集が掲載されている。履歴書・面接なしで、応募からマッチングまでがアプリで完結し、給与は働いた日のうちに振り込まれる。
最短1時間からの求人募集が可能で、文字どおり「スキマ時間」を生かした労働形態だ。クライアントである事業者は、アルバイトに支払う報酬の3割に当たる額を、サービス利用料としてタイミーに納める。2024年4月末時点での登録ワーカー数は770万人、登録クライアント事業者数は25.4万拠点となっている。
人手不足や副業解禁、働き方改革を追い風に、柔軟な働き方ができるスポットワークの需要は増している。利用者数は市場全体で今年5月には1700万人に達した(下図、大手4社の登録者数合計)。3月にはフリマアプリのメルカリが「メルカリ ハロ」としてスポットワーク市場に参入。メルカリが強みとするのが、月間利用者数2200万人を誇るフリマアプリの顧客基盤だ。
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