韓国競馬が「日本馬排除」で失った大切なもの 競馬場は「最高潮」でも、関係者は苦渋の決断
日韓悪化が競馬にも飛び火、まさかの「日本馬招待せず」
2019年9月8日は、70周年を迎えたKRA(韓国馬事会)にとっては”最良の日”だったと言えるかもしれない。何しろ、自国で開催する最高の2つのG1レースを、ついに地元の韓国馬が4年目にして初めて制覇。しかも、「天敵の日本馬」不在とは言え、「ダブル」で勝つことができたからだ(賞金総額は2レースとも10億ウォン=約9200万円)。
韓国が「世界の競馬一流国の仲間入り」を目指し、コリアカップデーと銘打ち鳴り物入りで国際競走「コリアカップ」(1800メートル)「コリアスプリント」(1200メートル、ともにダート、韓国G1)を、始めたのは2016年。
だが過去3年間、コリアカップデーは「6戦5勝」と日本馬のほぼ独壇場だった。短距離の「スプリント」こそ、2016年の第1回に韓国馬ではなく香港馬が勝ったものの、それ以外はすべて日本馬が勝利。特に距離の長い「カップ」はワンサイドの傾向が強く、日本でG1勝ちのないロンドンタウン(牡6=栗東・牧田和弥厩舎)があっさり連覇。2018年には”衝撃の15馬身差”で圧勝したことは、「韓国馬が地元G1で日本馬にボロ負けする理由」で書いたとおりだ。
このレース後に薪浦亨オーナーが「来年(2019年)も来ます。3連覇を目指します」と宣言した際、韓国競馬関係者の間には、半ばしらけたような微妙な空気が流れたものだ。
そのとき、私も「開催されれば3連覇は確実だろう」と書いたのだが、日韓関係の悪化を受け、日本馬が招待されないという異例の事態に陥った。
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