3年目に突入したウクライナ戦争。欧州の結束が試されている。
![兵士に囲まれるゼレンスキー大統領](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/d/4/1140/img_d4d2ba2827eb241a388f2099da5d24b3256874.jpg)
![週刊東洋経済 2024年4/20号[雑誌]](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/3/a/-/img_3a3e6be3b1d69affd244e521ef01578d135633.jpg)
2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの全面侵攻は3年目に突入した。戦争は欧州の勢力図をどう変えるのか? 停戦の可能性は? 鶴岡路人・慶応大学准教授に聞いた。
──23年後半以降、両軍が対峙するラインに大きな変化がなく、膠着状態になっています。
確かに領土奪還という点で23年後半以降、ウクライナに成果は乏しかった。だが実際の前線では激しい戦闘が行われている。ウクライナは犠牲の多い防衛戦を強いられていて、どうにか持ちこたえているのが実状だ。自然に均衡しているのではなく、これを膠着状態と表現すべきではない。
開戦当初は、ウクライナがこれほど持ちこたえるとは誰も想定していなかった。米欧も悲観的だったし、ロシアは短期決戦で勝てると考えたので全面侵攻に踏み切ったのだろう。ウクライナが抵抗を継続できるのは西側の支援があるからだ。しかし最近では武器弾薬の不足が深刻になっている。最大の理由は米国からの支援の停滞だ。
停戦する動機がない
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