脱炭素へ邁進する米国だが、EV化減速で揺り戻しも。
「国境を越えてくるクルマに100%の関税を課す」
米国のトランプ前大統領は3月、オハイオ州での演説で中国の自動車メーカーがメキシコに工場を建設していることに反発してみせた。
EV(電気自動車)大手の中国・BYDがメキシコでの工場建設を表明していることが念頭にあるとみられる。メキシコでは米テスラもEV工場建設の計画を公表している。米国向けのEVが米国内でなくメキシコで生産されることを牽制した形だ。
トランプ氏は大統領在任中も自動車業界にたびたび口出しをしてきた。そのメッセージは至ってシンプル。米国内での雇用と米国への投資である。
政策によって採算が大きく違ってくる
2017年1月には、ツイッター(現X)で「米国に工場を造らないなら高い関税を払え」と、トヨタ自動車が表明したメキシコ工場建設の撤回を要求。一方で19年にトヨタが雇用増を含めた対米投資の拡大を発表すると「おめでとう、トヨタ!」と称賛した。
自動車メーカーは工場建設時、どこに進出すればコストの最適化が図れるかを緻密に計算する。米国の通商政策・関税政策によっては、1台当たりの採算が大きく違ってくる。
今年秋の大統領選挙で「アメリカ・ファースト」のトランプ氏が当選すれば、関税の引き上げをちらつかせながら、米国内での投資を要求してくる可能性が極めて高い。
今回やり玉に挙がりそうなのがEVだ。
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