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日本の自動車各社がアメリカで直面する3大試練 2035年にハイブリッド車が販売禁止になる州も

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日本勢が3割超のシェアを握るが……

走行する日産「リーフ」
日産「リーフ」はIRAで日本車唯一の税額控除対象だ(写真:日産自動車)

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EVシフトの流れが変わり始めた。保護主義の高まりにより資源調達や製造の面で難題が噴出。販売停滞を見据え、欧米勢は投資計画の縮小に動く。
『週刊東洋経済』1月6-13日 年始合併特大号の第1特集は「EVシフト 絶頂と絶望」。アメリカのテスラと中国のBYDがグローバル市場を席巻する中、日本勢はどう動くか。熾烈なEV競争の最前線に迫った。
週刊東洋経済 2024年1/6・1/13年始合併特大号(EVシフト 絶頂と絶望)[雑誌]
『週刊東洋経済 2024年1/6・1/13年始合併特大号(EVシフト 絶頂と絶望)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

世界2位の自動車市場・米国は、トヨタ自動車やホンダなど日本勢が3割超のシェアを握る重要市場だ。SUV(スポーツ用多目的車)やピックアップトラックなど、高収益の大型車がよく売れるドル箱市場でもある。

ただ、米国が日本勢にとって今後も安定収益源であり続けるかは不透明だ。

というのも、米国でもEVシフトが進みつつあるからだ。バイデン政権は2021年8月に、30年までに新車販売の50%以上をEV、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)とする目標を掲げた。

日本勢も対応しようと奔走するものの、主に3つの規制が試練として立ちはだかる。

「合理的でも達成可能でもない」規制案

1つ目は、米環境保護局(EPA)が23年4月に発表した新排ガス規制案。自動車メーカーは、乗用車と小型トラックを含む「ライトビークル」の32年モデルについて、26年モデル比で平均56%の二酸化炭素(CO2)排出量削減が求められる。

EPAは新規制により、32年までにライトビークルの新車販売のうち、67%がEVになると見込む。ただ、求められる要件は厳しい。日本メーカーも参加する米国の自動車業界団体は、規制案はコスト面などのハードルから「合理的でも達成可能でもない」と23年夏に表明している。

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