追いつくチャンスが到来。
2023年、自動車メーカー各社が対応に追われたのが世界最大市場である中国市場だ。
中国汽車工業協会(CAAM)によると、23年1〜10月累計の新エネルギー車(EV〈電気自動車〉、プラグインハイブリッド車、燃料電池車)の販売台数は前年同期比37%増の728万台だった。EVで覇権を争う中国BYDと米テスラに加え、中国の地場系が相次いでEVを投入し、市場シェアを急速に高めている。
一方、日系メーカーは苦戦している。
調査会社マークラインズによると、1〜10月の中国市場での販売台数は、トヨタ自動車が前年同期比3.6%減と踏みとどまっているが、ホンダは16%減、日産自動車が25%減と低迷する。各社はEVを投入しているが、販売が振るわない。三菱自動車は10月に中国市場からの撤退を発表した。
「テスラやBYDは商品力で優れている」
中国勢やテスラは、エンターテインメントを含めたソフトウェアサービスの充実や、先進的なデザインにより、従来の車との大きな差別化を図っている。複数の日系メーカー幹部が口をそろえて、「テスラやBYDは、EVの商品力で純粋に優れている」と認める。
今年1〜9月のEV世界販売台数は、テスラが132万台、BYDが104万台と、100万台の大台を突破した。両社とも同期間のマツダ、SUBARU、三菱自各社のガソリン車を含む世界販売台数を上回った。
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