2024年も大型ビルのテナント争奪戦が継続。

JR大阪駅前の「グラングリーン大阪」は、広大な公園と一体開発される(写真:記者撮影)
鳴動する政治。終息しない戦乱。乱高下する市況。その先にあるのは活況か、暗転か――。
『週刊東洋経済』12月23-30日 新春合併特大号の特集は「2024年大予測」。世界と日本の行方を総展望する。
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大型ビルの竣工が相次ぎ、オフィス市況の悪化が懸念された「オフィス2023年問題」。デベロッパーや不動産関係者からは、「テナントの増床ニーズが強く、想定していたほど市況は悪くなっていない」と安堵の声が上がる。
だが、24年に市況が好転するとみるのは早計だ。
オフィス仲介大手の三鬼商事によれば、東京都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)のオフィス空室率は、23年10月時点で6.1%。前年同月の6.4%と比べ、若干改善した。
しかし、新築ビルに目を向けると、空室率は37.8%。前年同月の37.9%とほぼ変わらず、厳しい状況が続いている。大手デベロッパー幹部は、「賃料の高い新築の大型ビルは、テナントが決まらず苦戦している」とこぼす。
オフィス供給の勢いは衰えない
23年は、森ビルの「麻布台ヒルズ」、住友不動産の「住友不動産東京三田ガーデンタワー」、東急不動産の「渋谷サクラステージ」など、延べ床面積が1万坪を超える大型ビルの竣工が相次いだ。短期間に供給が集中したことで、多くの空室を残して竣工する新築ビルが少なくない。
24年も新築ビルによるオフィス供給の勢いは衰えない。
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