有料会員限定

巨大IT「GAFAM」はクラウドと広告で乱戦模様 2023年の主役はマイクロソフト。24年は?

✎ 1〜 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

注目すべきはクラウドと広告だ。

イベントに登壇するナデラCEO
「コパイロット」ブランドで生成AIを訴求するマイクロソフト(写真:マイクロソフト)

特集「2024大予測|産業・企業編」の他の記事を読む

鳴動する政治。終息しない戦乱。乱高下する市況。その先にあるのは活況か、暗転か――。
『週刊東洋経済』12月23-30日 新春合併特大号の特集は「2024年大予測」。世界と日本の行方を総展望する。
週刊東洋経済 2023年12/23・12/30新春合併特大号(2024大予測)[雑誌]
『週刊東洋経済 2023年12/23・12/30新春合併特大号(2024大予測)』。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

生成AI革命が巻き起こった2023年、米国の巨大IT企業5社「GAFAM(ガーファム)」の主役は、間違いなくマイクロソフトだった。

生成AIの火付け役となった「チャットGPT」の開発会社・米オープンAIに対し、19年に10億ドルを出資していた同社。その世界的なブームが巻き起こった直後、23年1月には数十億ドルの追加出資を表明する。

その後も素早い動きを見せた。

1月、オープンAIのLLM(大規模言語モデル)をクラウドインフラ「マイクロソフト アジュール」上で利用できるサービスを開始。チャットGPTよりもセキュリティーを高めた形で利用できることから、すでに1万8000以上の組織で導入されている。

「アマゾン猛追」のラストピース

電撃戦を仕掛けたのは、14年から3代目CEO(最高経営責任者)を務めるサティア・ナデラ氏。オンプレミス時代の製品群で稼いできた同社の経営軸を、クラウドサービスへと転換し、右肩上がりの成長軌道に乗せた人物だ。

とくにクラウドインフラ市場においては、圧倒的な首位だったアマゾン・ドット・コムを猛追。23年11月に調査会社カナリスが発表した最新四半期のシェアでは、アマゾンが31%、マイクロソフトが25%と、6%ポイント差まで迫っている。

今年に入って加速した生成AIの戦略は、周到に仕込まれた「アマゾン猛追」のラストピースだったというわけだ。

目下、マイクロソフトは生成AIアシスタント「コパイロット」にも注力。11月、「オフィス」やビデオ会議「チームズ」などを包含したクラウドサービス「マイクロソフト365」向けに月額30ドルで導入したほか、OS「ウィンドウズ」から検索エンジン「ビング」まで、次々と自社製品へ実装していった。

ナデラ氏も11月の開発者会議で「われわれのビジョンは非常に単純。コパイロットカンパニーだ」と宣言するほど、大きな期待を寄せている。

関連記事
トピックボードAD