生成AI旋風に安心できぬマイクロソフトの正念場 GAFAMきっての「優等生」がドル箱事業で減速
生成AIブームの勢いそのまま、成長は続くのか。
マイクロソフトは7月25日(現地時間)、2023年6月期決算を発表した。売上高は2119億ドル(前期比6.8%増)、営業利益は885億ドル(同6.1%増)だった。
牽引したのは、インフラ系・SaaS(サービスとしてのソフトウェア)ともに強力なクラウドサービス群だ。クラウド関連事業は全社売上高の5割を超える。
まずは、ITシステムの基盤やアプリケーションの開発プラットフォームを提供する「Microsoft Azure(アジュール)」。初期費用の安さや利便性を考慮した企業などのオンプレミス(自社運用)からのシフトが進み、これを擁するインテリジェント・クラウド事業の成長が続く。「ワード」や「エクセル」で知られる「Office 365」も、中小企業などで利用が拡大した。
すべての顧客がAI戦略について聞いてくる
これでマイクロソフトは7期連続の増収増益となった。主要事業の不振やコスト上昇などにより、直近の2022年12月期は営業減益に陥ったグーグル親会社のアルファベットやメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)、アマゾン・ドット・コムとは対照的だ。
好業績もさることながら、前期のマイクロソフトを語るうえで欠かせないのが、怒涛の生成AI戦略だ。「私が話をするすべての顧客が、次世代AIをどうやって、そしてどれだけ早く活用できるかについて尋ねてくる」。サティア・ナデラCEO(最高経営責任者)は決算説明の電話会議で、そう自信をのぞかせた。
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