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値上げ進めたスーパー業界で鮮明化する優勝劣敗 イオン、ライフ、ヤオコー、ベルクは"勝ち組"

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足元では明暗が分かれつつある。

イオンの外観とPB商品の売り場
イオンはPBを価格と品質の両面で訴求し、集客を強化する(写真:記者撮影)

特集「2024大予測|産業・企業編」の他の記事を読む

鳴動する政治。終息しない戦乱。乱高下する市況。その先にあるのは活況か、暗転か――。
『週刊東洋経済』12月23-30日 新春合併特大号の特集は「2024年大予測」。世界と日本の行方を総展望する。
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「ここまで消費が強いなんて予想できなかった」。食品スーパー大手の首脳は2023年をそう振り返る。

スーパー業界では当初、外食需要の回復や消費者の節約意識の高まりを受けて、店舗の客数が減少するという見立てだった。しかし実際は好決算が相次いだ。例えば、最大手イオンの今23年3〜8月期決算は営業利益が前年同期比22%増の1176億円と、上期の過去最高を更新した。

業績好調の最大の要因は値上げが想定以上に進んだことだ。22年10月に、ビールメーカーが一斉に値上げを実施。追随するようにほかの商品も、仕入れ先からの値上げ要請が相次いだ。「小売り側が吸収できるレベルではない」(別のスーパーの中堅幹部)と、小売り側も値上げに踏み切っていった。

スーパー業界全体で値上げが進んだ結果、過度な特売の抑制にもつながった。客数が伸び悩んだところも客単価上昇が補った。

単価増頼みの好業績

好業績とはいえ、裏を返せば単価上昇頼みといえる。この勢いはいつまで続くのか。消費者はどこまで値上げを許容するのか。

これらの点について、関係者の間では「24年後半にも実質賃金が上向いてくれば、消費の勢いは続く」と楽観的な意見もある。だが、「24年以降どうなるかはわからない」(ヤオコーの川野澄人社長)、「24年5月以降は単価の伸びが鈍化するのでは」(別の有力スーパー社長)といった悲観的な見方が多勢だ。

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