2024年はどんな1年になるか。
総合商社に対する株式市場からのまなざしは、「バフェット効果」で大きく変わった。
8年前の2016年3月期(15年度)、三菱商事や三井物産は資源市況悪化で巨額の減損を出し、大幅な赤字決算となった。市場には「商社への投資は非効率」という認識が定着した。
これ以降、商社各社は資源への投融資残高の比率に上限を設けたり、低成長事業は目先の黒字にかかわらず売却したりするなど、収益管理を厳格化した。
22年に丸紅が穀物大手ガビロンの売却に踏み切った。三菱商事は23年10月、豪州の原料炭2坑の売却を発表、豪州の残り5坑の収益性アップを図る。
5大商社の23年度の予想連結純利益は、前期比14%減の3兆6400億円。資源市況が下落する中では健闘しているといえる。円安効果に助けられているとはいえ、期初想定からは44.6%の上振れだ。牽引役は北米建材や自動車、国内外の電力事業、IT関連などの非資源分野だ。
バフェット氏が買い増し
堅調な好業績のうえに、23年は投資の神様といわれるウォーレン・バフェット氏率いるバークシャーハサウェイが5大商社株の買い増しを行ったことで、商社株は高騰した。「相乗効果がわかりにくい」と言われ1倍を割っていた各社のPBR(株価純資産倍率)は軒並み1倍超に上昇した。
朝日新聞などのインタビューでバフェット氏は「(総合商社は)何をやっているのか理解できる」「配当を増やし期待を上回っている」などと語っている。
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