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損保ジャパン行政処分で「トップ刷新」不可避に ビッグモーター問題で"顧客軽視"が浮き彫りに

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経営陣のどこに問題があったのか。

ビッグモーターと損保ジャパンの看板
ビッグモーター問題を通じて、損保ジャパンは顧客を軽視した業務運営をしていたことが浮き彫りになった(撮影:風間仁一郎)

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事故車修理に伴う保険金の不正請求問題をめぐり、「損害保険代理店の登録取り消し」という、過去に例のない行政処分を受けた中古車販売大手ビッグモーター。

自動車を故意に傷つける器物損壊、整備記録の虚偽記載、保険契約の捏造など、次々に法令違反が発覚した。

経営においても、取締役会を約7年間で1度しか開いていない、コンプライアンス(法令順守)担当の役員がいないなど、そもそも企業として体を成していない状態だった。

保険の募集(販売)においては、保険への加入を条件に車両価格を割り引くなど、保険業法が禁止している契約者への「特別利益の提供」にも手を染めていたことが判明している。

片棒を担いだ損害保険ジャパン

ビッグモーターに立ち入り検査した関東財務局は「前社長・前副社長は、会社経営には利益の拡大が最重要であるとの信念および自己の思うとおりに経営したいという意欲が過剰であったことから、法令等順守態勢をはじめ、大会社であれば当然に整備すべき経営管理態勢の構築を怠った」と、処分理由を記した文書で厳しく指摘している。

そうした「ならず者」集団の経営者を信じ込み、不正請求の片棒を担いでしまったのが、損害保険ジャパンだ。

損保ジャパンの持ち株会社、SOMPOホールディングスの会長兼CEOである櫻田謙悟氏は、2023年4月まで経済同友会の代表幹事を務めていた。まさに日本を代表する金融機関でありながら、ビッグモーターと同様にコンプラ意識が決定的に欠如した意思決定を繰り返したのはなぜなのか。

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